ポスターをはじめチラシなどの印刷物ではオンデマンド印刷とオフセット印刷という2種類の印刷方式があります。いざポスターを作って印刷しようと思った場合にはどちらの方式で業者に依頼するのかで費用などの違いが出てくるのです。

オフセット印刷とは？

このオンデマンド印刷とオフセット印刷の違いは元になる「版」があるかどうかです。もともと印刷物は版画のように元になる版があることで同じデザインのものを大量に印刷することが可能になっています。この版を使った従来の形での印刷方式をオフセット印刷と呼んでいます。つまり版にインクをつけて1枚1枚紙に印刷していくわけです。

オンデマンド印刷とは？

それに対してオンデマンド印刷はこの版を用いず，デジタル印刷機を使って印刷する方式です。版を作る必要がないのでコストがかからない，また印刷し終わった後に版を保管したり，再び使用する機会があったときにわざわざ取り出す必要がないといったメリットがあります。

じつは現在のポスターではこちらの方が主流で，デジタル上のデータを使用して高速に印刷することが可能です。

オフセット印刷のメリット・デメリット

ただ時代がオンデマンド印刷に傾いているからといってこちらの方が全面的に勝っているというわけではありません。それぞれメリットとデメリットがあります。

オフセット印刷の場合は一度版を作ったうえで印刷するために大量印刷を行う際に少ないコストで印刷できるほか，印刷物の品質を均一にすることができます。インクをつけた版でしっかり印刷するので出来栄えが高品質というメリットもあります。コストについては100枚以上する場合にこちらの方が適しているといわれています。

一方デメリットとしては先ほども触れたまず版を作る必要があること，そして印刷した後にインクを乾燥させる必要があるので時間がかかることなどが挙げられます。

オンデマンド印刷のメリット・デメリット

オンデマンド印刷はオフセット印刷のちょうど反対，少ない部数を印刷する際に低コストで済ませることができます。また高速での印刷が可能なうえにインクを乾かす時間がかからないので短期間での印刷・納品が可能です。納期が詰まっている場合はこちらの方が適しているでしょう。

デメリットとしてはやはりオフセット印刷と反対で印刷の品質がやや劣り，とくに点描などデザインにこだわったポスターの場合は印刷の乱れが出てしまうこともあります。

ポスターをどちらで印刷するか？

このようにオンデマンド印刷とオフセット印刷それぞれにメリット・デメリットがあります。おもに印刷する部数によるコストの問題と印刷の品質にかかわってくる問題なので，自分がどんなポスターをどれだけ刷るかを考慮したうえで適した方を選ぶことになるでしょう。